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テラフォーマーズ 第63話 [OUT OF 情勢の外] の感想【テラフォーマーズ】


この作品は集英社の週刊ヤングジャンプで連載され、宝島社の「このマンガがすごい! 2013」の第一位にも輝いた作品です。舞台は火星を離れ地球へ。 U-NASA 各国の首脳が招集された会議、火星でも裏切りを企てる中国が地球でも不穏な動きを始めました。しかしそこで蛭間 一郎が禁断のカードを切りました。

本多 晃を確保している。

………今、なんて……蛭間さん?

地球で開かれている U-NASA の会議では、中国の不穏な動きで緊迫した空気が流れていました。中国は火星に救助艦を送ったという事。しかも根底からアネックス計画をひっくり返し、もはや他国への宣戦布告と言って様状況でした。

そんな空気を打ち破ったのが日本の首相、蛭間一郎でした。蛭間 一郎は20年前のバグズ2号計画で火星へ飛び任務を遂行した人物。それだけならまだしも U-NASA を裏切ったという汚名も背負っている人物でした。

「本多 晃を確保している。」

その言葉は、各国のメンバーを一瞬にして日本ペースに引き込みました。
本多 晃とはバグズ手術を応用し、M.O.(モザイクオーガン)を生まれ持つ膝丸 燈を造り出した研究者。皆が手がかりを追っていた人物です。

ただの世間話なのですが…

そんな重大な発言をしておきながら、「いや、失礼。ただの世間話なのですが。何だか、場がどんどん世間話をするムードではなくなりそうだったので。」としらじらしく続けます。

アメリカのグッドマン大統領へ体脂肪7%落とした話題に触れ、ドイツのペトラさんへは妹が結婚したことを祝う発言をし、最後は再び「私の方は、ドクター本多と久しぶりに会いました。以上です。すみません、中断しちゃって。」と結びます。

これには、ローマ首相が一番戸惑っていました。蛭間 一郎の一言に「………今、なんて……、蛭間さん?」と聞き返したのもローマ、アメリカのグッドマンとの談話にも「いや…いやいや……」と戸惑いを隠せないのもローマ、ドイツのペトラに至っては蛭間 一郎の問いかけに顔色一つ変えずに会話する様に「いやいやいや…。おいドイツ…………え?」ともはや困惑しているのもローマ。最後の「私の方は、ドクター本多と久しぶりに会いました。」と締めた言葉には「待てい!!」と心の中で戸惑い叫ぶローマ。

確かに、意図しない方向に話しが進んでしまい、「心の中で突っ込むのがやっと」という状況、ありますね。。

兵器としての活用

未だ人体実験の域

何故、本多 晃の存在に注目が集まるのか。

それは M.O.手術の成功率は時を経ても未だ36%と低く人体実験の域を脱していない事から、継続的な実験台の確保と移植臓であるモザイクオーガンの確保が難しい。

その中で生まれつき免疫寛容臓(モザイクオーガン) を遺伝的に持つミッシェル・K・デイヴスと、人工的に遺伝させられたと噂される膝丸 燈に注目が集まり、その膝丸 燈を生み出したとされる本多 晃にも注目が集まったという訳です。

しかも本多 晃は既に死んでいるとされていたらしく、その本多 晃に会ったという事実は各国に衝撃を与えたのでした。

各国が欲しがる能力

何故、各国がM.O.手術の技術を欲しがるのかは明白。モザイクオーガンの遺伝を成功させることができれば、M.O.手術が100%成功する新人類が手に入る事になり、固い殻を持つ”蟹の軍人100人”も、デンキウナギの能力で周囲の多数を殺傷する”電気を操る工作員100人”も、蛭間 一郎が持つ能力の様な “毒殺されない政治家”だって思いのままに造れるからです。

医療への応用だって無限大とくれば、各国躍起になる訳です。

全ては実験体を確保するため。

早まったアネックス計画

膝丸 燈の存在が明らかになった途端に早まったアネックス計画は、日本の裏切り行為による『バグズ2号計画』失敗の責任を取らされた日本の立場が弱いうちに、膝丸 燈を火星に飛ばしてテラフォーマーとの戦いのどさくさに紛れて捕縛し調べ上げるという裏の目的の為に早められたのでした。

裏の結託

その工作活動の為に用意されたのが緊急時の活動指針であるプランδ。実際に裏切った中国・アジア第四班だけでなく、ロシア・北欧第三班も加担していたという事実が発覚。

確かに、ロシア班の班長シルヴェスター・アシモフは、プランδに移行して真っ先に火星のピラミッドに向かい、俺らの計画を実行すると躍起になっていました。まさか裏切りの伏線だとは。。てっきりまだ動きの見えていないヨーロッパ・アフリカ第六班のジョセフが中国班への協力者なのかと思ってしまいました。

まだ、ジョセフの存在も謎なんですけどね。。

表向きの顔

氏と共に今こそ実現しましょう!!

裏切りの計画は火星でこそ明るみに出ているものの、地球から見れば水面下で動いている状況。各国も一見強力するという姿勢を貫いて駆け引きが行われているのでした。

本多 晃の生存を知った中国は「素晴らしいではないですか!」と切り出し、不要な人体実験が減ることや火星開発の促進、医療への応用、A.E.ウィルス問題への貢献も含め、「人類を救うという U-NASA の理想を実現するため」 強力して研究しましょうと理由付け、日本からの取り上げを企てます。

NO. トラスト・ミー

バグズ2号計画での裏切り行為から立場が最も弱く針のむしろのはずの日本ですが、それに対する蛭間 一郎の応えは「NO」。責任を持って研究し「必ずや人類のために最良の研究結果をお持ちしますよ」と切り返します。

再び戸惑うローマ首相。。中国が危険な存在であることを確信したばかりでのこの展開に戸惑います。「U-NASA総出で本多 晃の研究データを取り上げる(美味しい所は中国・アメリカに持って行かれる可能性大)」という方針と、「ひとまず日本よりで団結して勢いづく中国を牽制する(後で日本から技術を吸う)」という方針がせめぎ合います。

既に根回しは済んでいた…

そんなローマをよそに、「いいんじゃないですかね。そっちの研究は今は日本に任せても。」とあっさり合意するドイツとロシア…。彼らは既に日本が根回しをした存在だったそうです。

その反応にローマは「おっ…、お前ら…『日本よりで団結する案』だな!?何故だか判断が速すぎる気もするが、その案でいいんだな!?」と心の中で問いかけるのが精いっぱい。。ローマ翻弄されすぎです(笑)

火星でも動く

裏切りを咎める

今回の話しは地球が中心に展開しましたが、最後の最後で火星での動きが少し紹介されていました。

この事態にミッシェル・K・デイヴスは「中国・アジア第四班の非道を糾弾するためには…。第四班が裏切った事を知らせ!正しい任務を取り戻すためにはー!!戦って生き残るしかない!!!」と決意表明していました。かつてのバグズ2号計画でミッシェルの父であるドナテロ・K・デイヴスの意志を継いだ一言でした。頼もしいですね!

続けて「逆に第四班を包囲すべくー、第六班のローマと合流する。」と宣言。その最後の1ページの大ゴマでローマの班長であるジョセフが山積みになったテラフォーマーの死骸の前でテラフォーマーとの対峙を続けている描写がありました。たった1人でこの強さ…半端無いですね。

ローマは火星と地球とで真逆な感じですね。。

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