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テラフォーマーズ 第54話 [BEAR 野蛮と傷跡] の感想【テラフォーマーズ】


この作品は集英社の週刊ヤングジャンプで連載され、宝島社の「このマンガがすごい! 2013」の第一位にも輝いた作品です。火星では無事に合流をとげた日米合同第1班と第2班が次なる作戦を開始しました。一方地球でも各国の首脳が終結しアネックス計画の今後を握る会議が始まりました。

火星での希望

飛べない高速脱出機

爆弾の影響で翼と変形装置の機能を失った第1班の高速脱出機(一号機)、墜落の影響で飛べなくなっていた第2班の高速脱出機(二号機)を前にミッシェル・K・デイヴス副長は「飛べない…か…。ワザと壊れ易く造ってんじゃないだろうな」とこぼします。

この言葉、なんか確信を突いている気もします。アネックス1号本艦に紛れ込んだテラフォーマー、執拗に薬を狙うテラフォーマー、プランδ(デルタ)への移行、ミッション開始早々の他所同時襲撃、第3班が見つけたリークに使用されたと思われるアネックス1号計画の概要図等、全てが策略的に仕組まれている様な気がしてなりません。

日米合同班の作戦

小町 小吉 艦長から合流した日米合同班の今後のプランが発表されました。サンプル研究や多班との合流のため、そして残り38日の篭城戦のためにアネックス1号本艦を目指したいが、高速脱出機が飛べなくなってしまったために山や湖を避け数日から一週間程かけて本艦を目指すというプランでした。

残り38日を戦い抜くために…

“薬”が少ない状況でのこの作戦に厳しさを感じるマルコスと膝丸 燈をよそに、小町艦長は「…つー訳で……、寝るぞ!」と続けます。ビックリして思わず「えっ!?」と声をあげる班員に、ミッシェルは「えっ…てお前…、一週間寝ないでイケるつもりだったのか?」と「いいんだよお前ら、生きてんだから食って寝ろ、確かに他班も心配だし死んだ仲間の事も忘れてはいけない。ここは戦場だからな。」と語り始めます。そして「人間らしさや感情を忘れてしまっては人間の戦いは維持できないと」締めくくります。

21歳で U-NASA に来たときとは変わった彼女の姿勢に温かい眼差しを送りながらも、「さっきのセリフが完全にあん時の俺の受け売りなのは黙っておこう…」と心の中でつぶやく小町艦長でした。

どうでもいい謎

あの時ミッシェルの着替えを覗いたのか?

ところで以前、湖で体を洗うミッシェルを膝丸 燈とアレックスが覗こうと企むシーンがありました。監視役の八恵子を5万で買収し、早いとこ脱出機の整備を終わらそうというところでその話しは終わりましたが、今回もミッシェルが女子達を連れて体を洗いに行くと言ったことに反応した燈とアレックス+マルコスでした。

「…お前ら分かってるとは思うが…」と始めるミッシェルに、ジャレッドがすぐさま「イヤわかってますって……。シャチの音波聞き分けるほど耳の良い副長に出歯亀なんて、とても…」と答えます。「ちぇーっ」とあきらめるマルコスに対し、下向き気味にもの凄い汗を流す燈とマルコスが描かれていました。「出歯亀(でばかめ)」って始めて聞きました。覗き犯の事を言うそうで、なんでも goo辞書 によれば明治41年(1908)風呂帰りの女性を殺害した女湯のぞきの常習者”池田亀太郎”という出っ歯の男のあだ名からきたのだそう。。

これは覗きはしなかったが企みが全て筒抜けだったのでは?という心配か覗いたのがバレていたのではという冷や汗なのか…。まぁ、本編には一切関係しないとは思いますが。

心を落とすアレックス

納得できて…

暗がりで一人墓標の前に座るアレックス、そのもとに心配して現れたのは八恵子でした。「残念だったねシーラちゃん」と話しかける彼女に、アレックスは「その場に誰がいても助けられなかったんじゃねぇかな…と思ったら不思議と凄ぇ納得できてよ…」と口を開きます。

辛い時は泣いたっていいじゃないの?

そんなアレックスを見て八恵子は「それはあんたが兄貴分だからでしょ?」と答え、「日米合同班にはあんたを助ける人もいるよ?」と続けます。

ここからが面白い。私に任せなさいと言わんばかり得意げな表情を浮かべ、「今朝は無理してたでしょ?辛い時は泣いたっていいじゃないの。今はそれが任務。ここにはあんたのお兄さんお姉さんたちもいるの。さあお泣きなさい、お姉さんのこの胸で。五千円でいいよ。大サービス!」と決めゼリフ。

状況が飲み込めないアレックス(18歳)の理由が八恵子(20歳)を年上と思ってなかったからと知った八恵子は、慌てて自分が年上だということをアピールします。それがきっかけでアレックスの表情も和らぎ涙をこぼしたアレックスは八恵子の胸をかりて泣くのでした。

五千円払ったのか!?というのは野暮でしょう。。いくら八恵子でもそこまでがめつくはないハズ。

不気味な静けさ

火星3日目

そんな人間ドラマもありつつ火星でのミッションは進んでいきます。しかしミッションが進むにつれ、ミッシェルや小町艦長、その他補充兵達は不気味さを感じはじめていました。

それは “ゴキブリが来ない!!”と言うもの。初日こそテラフォーマーにより各班が総攻撃を受けましたが、2日目以降はぱたっと止み、夜営に徹した2日目だけでなく3日目の朝アネックス本艦を目指したあたりでも、一向にテラフォーマーによる攻撃がないのでした。

火星で抱く希望。地球で突きつけられた絶望。

不気味さを感じつつも「もしかしたら残りの37日、いけるのではないか?」と希望を抱き続けるアネックス1号乗組員達でしたが、地球の U-NASA で開かれていた要人達の会議では、アメリカ大統領のグッドマンにより予想だにしない発表がなされていました。「プランδの救助艦は飛ばしておりません」と。

いやまさか!?と思ってはいましたが、まさかの公式発言…。日米合同班を組むなど大きな予算を割いてまで裏で渦巻く危険因子の排除を目指していたアメリカがこの様な指揮を取っているとは…。一緒に出席していて火星活動の過酷さを知っている日本の蛭間 一郎首相がこれにどう応じるのか、次回が楽しみです。

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